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よい睡眠が認知症予防につながる

ようやく春らしい暖かさになりました(トレホは大阪市にあります)。                           「春眠、暁を覚えず」。今日のお話は「睡眠と認知症」。                                 認知症の原因で一番多いアルツハイマー病は、アミロイドβ(ベータ)という異常なタンパク質が、脳に蓄積されることが原因ではないかとされています。このアミロイドβ、元々は脳神経の成長と修復に不可欠なタンパク質で、若いうちは新陳代謝により排出されています。ところが加齢とともに排出されにくくなり、脳内に蓄積して老人班となり神経細胞にダメージを与えます。

ノンレム睡眠の深さが重要

この排出を助けてくれるのが睡眠です。脳も体も寝ている状態であるノンレム睡眠をしっかりとることでアミロイドβが排出されるそうです。睡眠中はこのノンレム睡眠とレム睡眠(=夢をみている時の睡眠です)を交互に繰り返しています。高齢になると睡眠促進ホルモンが減少しているので熟睡している方は少ないかも知れません。日中に適度な運動をし、自分に合った寝具を検討するなど良質な睡眠環境をこの機会に考えてみるのもいいですね。

アミロイドβを除去する薬はないの?

手っ取り早く薬はないのか?との質問が聞こえてきそうですが、世界で初めてアミロイドβに直接作用する薬として、昨年アメリカ食品医薬品局に承認されニュースになった『アデュカヌマブ』があります。しかし継続して検証試験をするという条件付き承認なので、研究期間も考慮すると日本での承認はまだまだ先になると思われます。今後の研究の進展に大いに期待したいです。

蓄積の様子がわかるPET検査

一方、今どれくらいアミロイドβが溜まっているのか?についてはPET検査による画像診断をしてくれる医療機関があります。   自由診療なので健康保険は使えませんが、検査費用は30万円~50万円が相場でしょうか。興味のある方はお近くに検査設備を備えたクリニックがないかインターネットで検索して問合せてみましょう。

アミロイドβは約20年という長い年月をかけて脳内に蓄積すると考えられています。例えば70歳でアルツハイマー病を発症したのなら、現役バリバリ働き盛りの50歳に蓄積が始まるということです。ストレスの多く睡眠不足が多い現代人は工夫して良質な睡眠を心掛けないといけませんね。

睡眠は認知症だけでなく、心と身体のバランスを調整してくれる大切なもの。疎かにしないように注意しましょう。

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