出生数減少に歯止めかからず、2040年には超々々高齢社会へ
トレホ編集部
引続き出生数は過去最低を更新
11月28日に松野官房長官より「今年9月までの出生数が過去最低を更新した」との会見がありました。
もっとも少なかった昨年と比較しても4.9%減という危機的状況に対して総合的な少子化対策を進めると発言。
しかし人口増は対策をしたからと言って数年ですぐに効果がでるものではありません。何十年にもわたる取組みが必要です。
まず内閣府の令和元年版高齢社会白書より転載した「高齢化の推移と将来推計」のグラフをご覧ください。
2010年をピークに総人口が減り始めると同時に高齢化率が23%となり「超高齢社会」となりました。
高齢化率には3段階あって、人口に占める65歳以上の割合が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」
そして21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。
7%の倍ごとに呼称が変わるのであれば21%の超高齢社会は英語で”Super aging society”ですから、
28%を超えた現在はさしずめHyper、そして2040年頃には35%超えなので超々々高齢社会、”Ultra”と呼ばれるかも知れません。
下の表を見ると日本はすでに1970年には高齢化社会、1995年には14.6%で高齢社会、
そして超高齢社会とわずか40年のうちに一気に3段階を駆け上りました。これは世界でも日本だけです。
上の表は現時点での最新版になりますが、2023年には2020年国勢調査をベースにした新しい推計が発表される予定です。
高齢者数は2042年で減少に転じまずが、そもそもの出生数が少ないのでしばらく高齢化”率”は高いまま推移します。
【主な年度ごとの実績、予測をまとめてみました】
1970年:高齢化社会に。
1995年:生産年齢人口ピーク8,716万人、高齢社会に。
2010年:総人口ピーク1億2,806万人
2013年:生産者人口7,901万人で1981年の水準に。
2016年:出生数が100万人割れ
2022年:11月1日現在(概算値)の人口は1億2,485万人。
2025年:団塊の世代がすべて75歳以上に。財政的な圧迫が急加速。
2029年:人口が1億2千万人を下回る。
2036年:3人に1人が65歳以上に。
2042年:高齢者人口ピーク3,935万人、減少に転じるも相対的に高齢化率は上昇。死亡者が激増して火葬場不足?国家財政圧迫。
2050年:平均寿命は女性90.40歳、男性84.02歳、国土の20%に人が住んでいない?
2053年:出生数が低ければ人口1億人割れ
2059年:人口9,924万人に、1億人を割る。
2065年:人口8,808万人、2.6人に1人が65歳以上、3.9人に1人が75歳以上。平均寿命予測は女性91.35歳、男性84.95歳。
3000年:日本の人口2000人に!?(一定条件のままで予測した場合)
河合雅司さん著「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」(講談社現代新書)も参照させていただきました。
最後の人口2000人は極端な予測に感じますが、少子化対策を何もせず放っておけばあり得るということでご紹介しました。
一方で世界の人口は激増
国連によると世界の人口はこの11年間で10億人増加。2030年には90億人、2058年ころには100億人を突破する見通しです。
日本は2019年からベスト10圏外へ。
現在の各国人口順位※世界人口白書2022より
1:中 国(14億4,850万人)
2:インド(14億660万人)
3:アメリカ合衆国(3億3,480万人)
4:インドネシア(2億7,910万人)
5:パキスタン(2億2,950万人)
6:ナイジェリア(2億1,670万人)
7:ブラジル(2億1,540万人)
8:バングラデシュ(1億6,790万人)
9:ロシア(1億4,580万人)
10:メキシコ(1億3,160万人)
11:日 本(1億2,560万人)
来年にはインドが中国を抜いて世界1位になると見込まれています。
世界の人口爆増と反対に進む日本の超々々高齢社会。世界のどの国も経験したことのない社会に日本は突き進んでいます。
高齢化の推移と将来推計表を見ていただいてお分かりのように2065年まで刻まれています。
あと何年経てば解消するというレベルではありません。
人生100年時代。でも100年時代に追いついていないことも沢山あります。
まずは少しでも長く健康体でいること。そして健康であれば何が出来るのか?を考えて行動することですね。
誰のせいで苦しんでるんだ?こんな犯人捜しによって世代の分断につながらないことをただ祈ります。
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