高齢者の運転免許証 更新のおさらい 家族も覚えておこう
今日から秋の交通安全運動スタート
交通事故のニュースでよく目にするのが「煽り(あおり)運転」と「高齢者の運転ミス」です。
中でも高齢者の運転操作ミス。車は動いている訳ですからその運転は秒や秒以下の単位での判断が連続します。
都市部で近所に何でも揃う便利な生活をしていると想像しにくいですが、地方によっては買い物以外に高齢者には通院だったりで車は切っても切れない生活必需品です。
とは言え事故を起こしては元も子も有りません。
高齢での運転はご本人の自覚と家族の優しくも厳しい目でしっかりと見極めましょう。
5月13日から70歳以上の運転免許更新制度が変わっています
4か月ほど前に改正道路交通法が施行され、新たに運転技能検査が導入、認知機能検査と高齢者講習の内容と手数料が変更になりました。各県警のHPにも掲載されていますがここでは警察庁の流れ図でご紹介します。
「70歳~74歳」と「75歳以上」で更新までの流れが違いますね。
理由の一つは70~74歳の認知症発症率は4.11%、75~79歳では13.6%と3倍以上になります。
まずは有効期間満了日半年前ごろにお知らせハガキが届きます。
ここから年齢別で、
【70歳~74歳】基本的に高齢者講習のみ
①指定の教習所に講習を予約する
②高齢者講習(運転適性検査30分+講義30分+実車指導60分の計2時間)
※2輪免許のみ所持者と運転技能検査対象者は実車指導60分が不要で計1時間)
③免許証更新
【75歳以上】まずは違反歴があるか?ないか?
◎下記の違反歴のある人
有効期間が満了する日の直前の誕生日の160日前の日から前3年間
1.信号無視 2.通行区分違反 3.通行帯違反等 4.速度超過 5.横断等禁止違反 6.踏切不停止等・遮断踏切立入り
7.交差点右左折方法違反等 8.交差点安全進行義務違反等 9.横断歩行者等妨害等 10.安全運転義務違反 11.携帯電話使用等
①運転技能検査
コース内で5課題を100点からの減点方式で検査。
1.指示速度走行 2.一時停止 3.右折・左折 4.信号通過 5.段差乗り上げ
この他に検査員が危険回避のために補助ブレーキを踏むなどがあると減点。
一種免許は70点以上、二種は80点以上で合格。更新期間満了まで何回でも受検可能。
②検査結果
・合 格→認知機能検査へ(以降は「違反歴のない人」を参照してください)
・更新期間満了までに何回受けても合格できなかった→免許証更新せず。
※不合格でも原付、小型特殊は希望により継続可。
◎違反歴のない人
①認知機能検査
記憶力や判断力を測定する検査。
2つの検査項目について検査用紙に受検者が記入、またはタブレットにタッチペン入力して行います。
・手がかり再生・・・イラストを覚えた後に関係ない課題に取組み、覚えたイラストについて回答。
・時間の見当識・・・検査時における年月日、曜日、時間を回答。
②検査結果
・認知症のおそれ無し→高齢者講習→免許更新
・認知症のおそれ有り→医師による診断へ
③医師による診断の結果
・認知症ではない→高齢者講習→免許更新
・認知症→免許の停止・取消
・受診しない→免許の停止・取消
更新期間も変わります
これまで免許証の色によって違っていた更新期間。ゴールドなら5年、ブルーなら3年(特例あり)でした。
しかし70歳以上は更新期間満了日の年齢で次の3通りに分かれます。
・70歳・・・5年
・71歳・・・4年
・72歳以上・3年
次の更新年を間違えないようにしないといけませんね。
※無事に更新できても。。。
めでたく免許証更新。
しかし75歳以上の免許証所持者が、認知機能低下した場合に起こしやすい違反(※)をした場合、臨時認知機能検査を受けなければなりません。ただし違反の3か月前以内に検査を受けていた場合は免除されます。
この検査で「認知症のおそれなし」であれば免許証継続。
しかし「おそれあり」という判定が出たら、次に臨時適性検査にすすみ専門医の診断または医師の診断書を提出します。
ここで「認知症」と診断が出たら免許証は取消・停止。
「認知症にあらず」の診断結果の場合
①前回受けた結果と同じであれば「免許証継続」
②前回受けた結果より悪くなっている場合「臨時高齢者講習の受講」を経て「免許証継続」
※認知機能低下で起こしやすい違反
1.信号無視 2.通行禁止違反 3.通行区分違反 4.横断等禁止違反 5.進路変更禁止違反 6.遮断踏切立入り等
7.交差点右左折方法違反 8.指定通行区分違反 9.環状交差点左折等方法違反 10.優先道路通行車妨害等
11.交差点優先車妨害 12.環状交差点通行車妨害等 13.横断歩道等における横断歩行者等妨害
14.横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害 15.徐行場所違反 16.指定場所一時不停止等 17.合図不履行
18.安全運転義務違反
で更新費用はいかほど?
各地でバラツキがあるかも知れませんので目安としてご参照ください。
①免許証更新手数料 2,500円
②高齢者講習 6,450円
③運転技能検査 3,550円(期間内なら合格できるまで受検可能)
④認知機能検査 1,050円
⑤医師の診断と診断書 実費(個人で受診)
70歳~74歳であれば免許証更新まで約9,000円、75歳以上で違反なし認知症のおそれなしで約10,000円ですね。
この他は受ける検査や回数(運転技能は複数受検可)によって変わります。
高齢者の免許証更新のハードルは相当厳しくなっていますが、これも安全を考慮してのことです。
免許証のためだけではないですが、普段から脳と身体の健康維持に努める必要がありますね。
以上、詳しくは管轄の警察や免許更新センター、関係ホームページ等でご確認ください。
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