コロナでヒアリングフレイル(聴力の衰え)増加。
難聴は認知症最大のリスク
今朝の新聞記事で聴力と認知症の関係について書かれていた。マスク生活のコロナ禍も影響する「ヒアリングフレイル」が増加しているといいます。フレイルとは”虚弱”なので「聴力の衰え」ですね。
“75歳以上になると約70%の人が難聴になる”といわれています。2017年に有名な医学誌LANCETに発表された論文では“難聴による認知症のリスクは8%”。危険因子の中では難聴が最大で、次が教育歴(知的好奇心の低さ)7%、喫煙5%、抑うつ・社会的孤立4%と続きます。
聞こえづらくなることは人とのコミュニケーション(会話)への影響も大きくなります。しかし難聴になると「人に会っても話が聞き取りにくいから」と遠慮して疎遠になり、同時に外出も控えるようになってしまいます。そもそも会話は脳の活性化を促す重要な行為です。会話をしていないと脳内で言葉の情報を処理することが減って脳は委縮、しかも外出を控えることで運動、刺激も減少し、ますます認知症の危険が高まります。「聞こえない」ことは同時にあらゆる意欲も減退させてしまうのです。
補聴器は調整して慣れることで快適につかえます
老人性難聴が主原因の感音難聴は加齢が原因で、音を感じる有毛細胞が失われているので効果的な治療法はないそうです。しかし目が悪くなった時にはメガネ、歯が無くなった時には入れ歯があるように、耳には聴力を補うための補聴器がありますね。
眼鏡や入れ歯が使い始めからその効果を実感できるのに対して、補聴器は馴染むまで数か月にわたって調整や慣れが必要です。これが面倒でせっかく購入した高価な補聴器を使わなくなってしまう方も多いと聞きます。
前述したように”聞こえる”ことは健康に直結します。「高齢だし、もうこのままでいいわ」なんて思わないでください。がんばり所です。筋肉も使わなければ衰えます。同じ理屈で脳にも悪い影響がありますから、根気よく、自分にあった補聴器を仕上げて快適な生活を送っていただきたいと思います。
難聴の程度によっては「補助」が、2018年からは「確定申告」で控除も受けられるようになったそうなので、必要な証明が受けられる補聴器専門医にご相談を。
カタチが補聴器と良く似た“集音器”が安価に売られていますが、医療用機器ではないのでお間違いなく。
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