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要介護の分かれ目「フレイル」と「ロコモ」を知っていますか?

生活機能低下、健康寿命を損ね、介護が必要になる危険水域

4月1日、日本医学会連合は「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」を発表しました。

介護の必要性が高まる状態を示す「フレイル」「ロコモ」の状態を克服対象とし、
適切な対策による予防・改善を期すことで健康長寿の達成に貢献したいとしています。

医学会連合ではこの活動を「80GO(ハチマルゴー)」運動と名付けて展開します。                            

医学57学会と医療系23団体が健康長寿社会を目指して協力

日本医学会連合は生理学会、癌学会、内科学会、外科学会、老年医学会など主要な57学会が加盟しており、
今回、基礎老化学会、歯科医学会、薬剤師会など非加盟23団体と共同で宣言されました。

多くの学会と団体が横断的に連携し、人生100年時代に向けて健康寿命の延伸、健康増進、医療対策のために
まずは「フレイル」「ロコモ」を克服して要介護になることを予防します。

        要介護になった理由とは?

フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言発表資料より引用

フレイルとは?

これは最近良く耳にしますね。”虚弱状態”と理解していましたが、「宣言」では活動的な生活をしている状態と要介護状態の”間”の状態がそうだとしています。

特徴である5項目「疲れやすい」「活動量が減少」「筋力低下」「動作が遅くなる」「体重減少」のうち3つ以上に該当する場合をフレイル1~2つ該当する場合をプレフレイル(フレイルの予備状態)といいます。

フレイルには3種類あり、それぞれのあらわれ方があります。

「身体的フレイル」=低栄養、口腔機能低下、運動器障害、サルコペニア(加齢による筋肉量減少)                                                 「社会的フレイル」=閉じこもり、社会的孤立、孤食、etc                                                「精神心理的フレイル」認知機能障害、うつ、etc

ロコモ(=ロコモティブシンドローム)とは?

”移動する”ことを表す英語のロコモーション、”移動するための能力がある”ことを表す英語のロコモティブから作られた造語です。

人が立ったり歩いたり作業するなど、広い意味での運動のために必要な体の仕組みを運動器と呼びますが、その運動器の障害のために移動機能が低下した状態を「ロコモ」と言います。

ロコモ度テストという3つのテストで判定・評価されます。                               

1.「立ち上がりテスト」=片脚、または両脚でどれくらいの高さの台から立ち上がれるかを測る。             2.「2ステップテスト」=できるだけ大股で2歩歩いた距離を測る。                           3.「ロコモ25」=運動器の不調に関する25の質問                                    

これらのテスト結果で、ロコモでない状態、ロコモの始まり(=ロコモ度1)、ロコモが進行(ロコモ度2)、
進行がさらに進み社会参加に支障をきたしている状態(ロコモ度3)が判定されます。

「80GO」運動とは”80歳になっても活動性の維持を目指す”こと

80歳でも自分の足で、あるいは(自分の操作による)車椅子外出ができる。これが80GO運動の目標です。          そう言えば”歯”でも8020運動(80歳で自分の歯を20本残す)があります。80歳という年齢は人生100年のマイルストーンですね。

医学会連合では歩行速度「10秒で11メートル」を目安として示しています。この目安を下回る人は10年後に要介護になるおそれが高いとされています。

誤解のないように「意識して10秒歩いた結果の距離目標が11メートル」ということです。
決して11メートルを10秒で歩きぬくという”競走”ではないのでご無理なさらぬように願います。  

この運動がどのような広がりと成果を生みだすのか大いに期待したいと思います。

※参照:日本医学会連合 フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言発表資料

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