認知症の特徴は中核症状と周辺症状
トレホ編集部
四大認知症とは
「認知症」は、一度発達した認知機能(判断・計算・理解・学習・思考・言語等)が後天的に障害されて低下し、日常生活・社会生活に支障を来す状態をいいます。しかし、その人が置かれている環境によっては支障と呼べるかどうかの判断は変わります。
認知症になるとどのような症状が出るのか、認知症予防の第一歩は正しい知識を知ることからです。
まずは代表的な四大認知症とは。
①アルツハイマー型認知症
②血管性認知症
③レビー小体型認知症
④前頭側頭型認知症
これらの他にも認知症の原因は100種類近くあるとも言われています。
また一口に認知症と言っても、発症原因によって初期症状の現れ方、特異な症状があります。
今回は認知症の一般的な症状をご紹介します。
中核症状(代表的な症状)
脳神経細胞が破壊されると、その細胞が担当していた認知機能が欠落して起こります。
それによって起こる代表的な症状を中核症状といい、その人によって症状が変わる行動・心理症状(BPSD)の2種類に分けられます。
- 記憶障害
新しいこと、直前のことを憶えられなくなります。また憶えていたことも忘れていきます。
ただし昔のことは比較的憶えていることが多いです。初期から表れる認知症の代表的な症状です。
認知症の種類によっては初期に記憶障害が出ないものがあるので注意が必要です。 - 見当識障害
今日が何年、何月、何日、何曜日なのか?
という日時や今自分がいる場所、この人は誰なのかということが分からなくなります。
約束も守れなくなり、トイレの場所も分らなくなります。時間の見当識が初期に障害されます。 - 実行機能障害
段取りよく計画して進めることが難しくなります。
料理であればメニューを考える、必要な買い物をする、調理の順番などが分からなくなり上手に作れません。 - 理解・判断力障害
一度に複数のことを言われると理解に時間がかかったり混乱したりします。
曖昧な表現が理解できないので具体的に説明が必要です。寒いから暖かい服で→セーターを着て、その上にコートを着てなど - 失語
言葉は聴こえていても話の内容が理解できなくなります。
自分が話したい言葉を発することが難しくなります。 - 失行・失認
失行は運動機能とは関係なく「服を着ることができない」「お茶の淹れ方がわからない」など動作や使い方が分からなくなります。失認は自分と物との位置関係を測るのが難しくなります。また体の半分側の空間が認識できず、ご飯を片側だけ残したり、片方の袖に腕を入れなかったりが起こります。
行動・心理症状(=BPSD、その人により症状が変わります)
前述の中核症状にともない、本人の性格や環境、その時の心理状態で現れるのが行動・心理症状です。
どういった症状が現れるかは個人によって違いがあります。
行動症状
暴言・暴力・徘徊・拒絶・不潔行為
心理症状
抑うつ・不 安・幻 覚・妄 想・睡眠障害
以上は認知症としての一般的な症状です。
前述のように、認知症になった原因やその人個人の性格や生活環境で出現する症状は変わりますのでご留意ください。
認知症は進行しますし、残念ながら完治薬は今のところありません。
とにかく異変に気が付いたら早期に診断・適切な治療を受けることで、原因によっては健康な状態に戻ることも可能ですし、進行を遅らせることができます。
認知症は、各種の調査ではがんを抜いて「一番なりたくない病気」に選ばれています。
まさか私が?まさか両親が?と躊躇(ちゅうちょ)せず、「かかりつけ医」か地域の「もの忘れ外来」がある医療機関、またはお住いの自治体に「地域包括支援センター」があるのでお調べになって相談をしてみてください。
◆「もの忘れの異変に気付くのは家族が多い」をご一読ください
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