エリクソンの心理社会的発達段階で今の自分が見えてくる
トレホ編集部
人が社会との関係において必要な8つの発達段階
最近子育てのWebサイトでよく紹介されているのが、アメリカの発達心理学者のエリクソン(1902-1994)が1950年に発表した心理社会的発達段階説です。年齢ごとの8つの発達段階を冒頭の表にまとめてみました。
(専門家ではないので発達段階説の詳しい説明は他のサイトにお任せします)
ここでは私がそんなの知らなかった。。という体でのお話です。
発達段階説の表の語句の意味は
単語だけでは意味が分かりにくいものを簡単に解説します。
・有能感
周りの友達が出来ていることは「自分にもできる」「友だちよりも劣っていない」という気持ちを感じることができる心。決して優越感ではありません。
・同一性
「これが他ならぬ私である」「自分は自分である」と自覚を持つこと。原文は近年よく使われるようになったアイデンティティ(identity)、エリクソンがこの言葉を広めました。同一性の拡散とは、自分が何者か分からず”混乱”することを指しています。
・親密性
「同一性(アイデンティティ)が確立された上で他者と親密な関係を結ぶ能力」
・生殖性
「次の世代の育成に関心を持つこと。子育てや後進の育成をすること」
・停滞性
生殖性とは反対に「自分自身にしか興味を持てず、自己に没頭してしまうこと」
・自己統合
”自我の統合”とも訳されています「いい人生だったと納得し希望を継続すること」
発達段階説は誕生時からの年齢ごとに8段階に分けて、周囲との関係性(表:関わる人)の中で心理的課題をたたかわせ、その結果導かれるべき要素が示されています。長く人生を過ごしてきた方が見れば、表の構成だけで理解しやすいのではないでしょうか。しかし重要なのは、各段階で不幸にも要素を導けなかった場合。
導けなければ心理的課題の〇〇VS〇〇の右側(段階1なら”信頼VS不信”で不信の方)に悩まされることです。導きたい要素はすべて人生を正しくポジティブに生きるものばかりですが、そうでなければ、周囲への不信に始って、羞恥心、罪悪感、劣等感、アイデンティティの混乱、無責任、孤独、自分のことだけ、そして最後に絶望に至ります。
結構恐ろしい説です、ずっと右側だけなら引き籠りになりそうです。しかもうまく要素を導けないと次の課題も困難になるとありました。えらそうにご紹介している私めも、恥ずかしながらこの説を知ったのは数年前なんです。
自分のことをこの表に当てはめてふり返ってみると。。結構右側多いような気がします。。が、かといって完全にどちらかに寄っているわけでもない感じなんですが。これは獲得できていなくても、知識としてカバーしているからかも知れません。身についてはいないけど「こうした方がいい」という理屈は知っているということです。
では、導けないまま”いい齢”になってしまっても、これからリカバリできるんでしょうか?いろいろ検索してみましたが、そんな方法を紹介するサイトは見つかりません。「人として幸福になるために達成しておかなければならない課題です」と言い放つ説明ばかりです。
でも漠然と自分に何かが足りないと思っていたことの原因が分かると少し楽にはなりました。この発達段階説を知ったことで、若い時から自分が何となく感じている”生きにくさ”について、「そういうことだったのかも」と理解できただけでも良しとします。
完全にどちらかの心理的課題に寄っているのではなく、それぞれの要素を少しずつでも持ち合わせているのなら、そしてこの理論を少し理解できたのなら、この先の人生は気をつけながら、気を配りながら進むだけです。修行は続きます。
もう一つ気づけたことがあります。
人がこうした段階を経て、社会的な成長をしているんだなと思うと、自分の子どもも含めて彼らを見る目が変わりました。
今さら間に合わないことの方が多いかも知れませんが、彼らと関わるときには意識しておきたいと思います。今わかったので今から。せめて。大したことは出来ませんし、たいそうな言葉も持ち合わせていませんが。これが生殖性というものでしょうか。
思い出脳活が参考にしている”回想法”も目指すのは「自我の統合」
これまでの人生をふり返って「いろいろあったけど良かったんじゃないか?」と納得できること。ここに至ることが出来れば、その後の人生も満ち足りたものになります。終わり良ければすべて良しです。がんばってきた自分を認めた後は周囲への感謝です。決して一人では成立していないのが人生ですからね。
あなたの人生をアシストしてくれた人たちに、その気持ちを伝えることができたらなお良いですね。
「私の人生、まずまずだったかな」こんなふうに感じることができる思い出はきっと見つかるはずです。
自ら過小評価しないためにも誰かと一緒に話をするのがいいですね。
思い出脳活ノートなら、人生のふり返りと脳活が一緒にできます
これを心理療法として導いていくのが”回想法”です。その回想法を参考に自分自身での回想を容易にしたのが、
トレホでおススメしている「あなたのベスト10ノート」と「思い出ノート」。どちらも回想法を応用した脳活ノートです。
「あなたのベスト10ノート」は、人生で経験してきたことをベスト10方式で回答するノート。
「思い出ノート」は、100の質問に答えていくだけで簡単に自分史をつくることができるノート。
せっかくの思い出の数々、たまに思い出して手入れをしないと忘れてしまいます。思い出脳活は4ステップです。
①記憶を探す ②記憶を映像化 ③記憶を言葉に変換 ④ノートに書き出す
この4ステップの間に視覚野、言語野、運動野と様々な機能を使うことで活性化を促します。でもそれ以上に大切なのは、歩んできた人生をふり返ることで忘れていた自分、気づかなかった自分に出会えることです。
人生100年時代。長い長い人生を健康で希望を持って過ごすために、みなさんが居心地の良い場所、得意な場所を見つけてください。きっとこの思い出脳活ノートがお役に立てるはずです。
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コメント
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[…] と、モノは強く印象付けられているそうです。以前このコーナーでご案内したエリクソンの心理社会的発達段階でも、この10代は自己の同一性(=アイデンティティ)を確立する重要な時 […]
[…] ちり、多様な刺激を受けて成長していくタイミングです。以前ご紹介した「エリクソンの心理社会的発達8段階」でも学校は自身のアイデンティティを確立する重要な時期にあたります […]