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ブルース・ウィリスさんが認知症と診断

失語の原因は”前頭側頭葉変性症”による認知症

アクション映画『ダイ・ハード』シリーズでおなじみのブルース・ウィリスさん(67)。昨春、失語症になったと公表して俳優業を引退していました。そして今年2月16日、家族から「前頭側頭型認知症」であると公表。ウィリスさんの家族は「ようやく明確な診断名が出て安心した」と述べています。

この前頭側頭型認知症ですが、脳内で社会性・創造性・思考力を司る「前頭葉」と、記憶、言語、聴覚、嗅覚を司る「側頭葉」を中心とした神経細胞が変性、脱落して機能が障害される病気です。しかも65歳未満で発症する若年性認知症の比率が高いことが特徴です。”認知症”と呼ばれていますが、もの忘れなどの記憶障害よりも、人格変化・行動障害、言語障害が中心になります。

人格変化で反社会的な行動も

人格変化・行動障害の具体例としては、社会的に不適切な行動をとる、礼儀やマナーの欠落、衝動的な行動をとる、周囲の目をきにしなくなるなど、抑制が効かなくなります。そして無気力・無関心、同じ行動や言葉を繰り返すなどの常同行動、食事の好み、嗜好の変化が起こります。さらに言語障害はそれが大体なんであるかは分かっても、特定の名称が出てこないなどの障害も起こります。中には身体機能にも障害が併発するケース(震え、硬直、筋力低下)もあります。

残念ながら治療法は見つかっていない

病気の原因は、タウ・TDP-43・FUSと呼ばれるタンパク質が変性して前頭葉や側頭葉にのみ蓄積、周囲の脳神経細胞に影響を与えて発症している説が有力ですが、それがなぜなのかは判明しておらず治療法も見つかっていません。行動症状に対して一部の精神病薬、認知症薬などが使われる場合がありますが、原因そのものに効果があるわけではありません。

進行性の病気であり、異常行動・言語障害が悪化していくケースと、他の運動症状が合わせて発症する場合があります。

周囲の負担も多い前頭側頭型認知症

前述の通り、人格変化をともなう異常な行動も起き、さらには意思疎通も難しい病気です。発症前のご本人を知るご家族にとっては看護、介護がつらい病です。しかし他の認知症と同様に、残されている記憶や機能をベースに行動の改善が可能な場合もあります。

65歳未満で発症する若年性であることから、現役世代での発症になると経済的負担も大きくなります。平成27年には指定難病になっていますので公的支援を受けながら療養が可能です。

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