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認知症基本法成立

誰もがなる可能性があるのが認知症

本日の参院本会議で認知症基本法が可決・成立。その基本理念は「認知症の人が希望と尊厳をもって暮らせる社会」。
2020年で約600万人、2025年には700万人に達すると予測される認知症患者。たった5年で100万人の増加とは驚くべき数字です。しかしこの患者数は10年以上も前にすでに予測されていました。

高齢と相関関係にある認知症は、超高齢社会のわが国においては否応なしに増加するのは分かっていました。治療法が見つかっていない現状では、社会としていかに患者増に対応していくかが現実的な取組みとして優先されたかたちです。

「私は大丈夫だと思う」たまにこんなお話を聞きます。高齢になればなるほど誰もがなる可能性がある認知症において絶対ならないということはありません。遺伝をともなう家族性、ともなわない孤発性含めて誰でも認知症になるリスクは等しくあります。

平均寿命がここまで長くない時代は、認知症になる前に寿命に到達することが多かったのですが、日本が「高齢”化”社会」に突入した1970年あたりから認知症患者(当時はボケ老人と呼ばれていた)が増え始めました。1972年には認知症をテーマにした小説「恍惚の人」(有吉佐和子著)が出版され年間売り上げ1位となっています。

その後、1994年に高齢社会、2007年には超高齢社会へ世界でもいち早く突入していたのが日本です。余談ですが高齢社会の定義は高齢化率7%が高齢化社会、その2倍の14%が高齢社会、そしてその先に定義はありませんが3倍となる21%で超高齢社会と呼ばれます。最新の将来人口推計では2070年に高齢者人口割合38.7%!一体何高齢社会と呼ばれるんでしょうか?

冒頭でも書いた「治療法は見つかっていない」ですが、まったく手がかりが無いわけではありません。昨年話題となったアルツハイマー病新薬「レカネマブ」もその一つ。しかし使うタイミングの難しさや高額な薬価(アメリカでは承認済)がまだまだ一般的ではありません。

脳という聖域の研究は生体での実験や研究が難しく長らく停滞していました。脳のどこがどんな役割をしているという紹介は、大昔の荒っぽいことが許された時代の研究や臨床結果が今だに使われています。しかし90年代の画像診断技術(fMRI)の進歩により様々な研究が可能になりました。

しかし期待して待つにしても、画期的な新薬登場にはまだ数十年以上かかるとみる専門家も多くいます。現代を生きる私たちはどうしたら良いのでしょう?

治療法より先に予防法?

今回成立の認知症基本法では「予防」も推進されています。治療法はまだありませんが、現在分かっているリスクを避けるだけでも予防(なるのを出来るだけ遅らせることも含む)となります。

2017年に世界5大医学誌の一つ英・ランセットの専門家委員会は膨大な臨床例研究から認知症のリスクを発表しました。
①教育歴、②難聴、③高血圧、④肥満、⑤喫煙、⑥うつ病、⑦社会的孤立、⑧運動不足、⑨糖尿病
さらに2020年には➉過度の飲酒、⑪頭部外傷、⑫大気汚染を追加で発表しています。以上12項目で約40%のリスクを防ぐことができるとしています。

この12のリスクを裏返せば予防につながるという訳で生活習慣病は言うに及ばずですが、知的好奇心やコミュニケーションは脳を活性化させる直接的な予防法になるということです。違う本で読みましたが活動的ではあっても毎日パターン化した生活は逆に良くないそうです。結局脳の同じ記憶ばかりを使うのでは意味がないということでしょう。

トレホがおすすめする脳活ノートの「思い出ノート」と「あなたのベスト10ノート」。ふり返ることの少なくなった昔の記憶、忘れていたことを思い出すことも予防につながります。思い出すというのは脳に刺激を与えることになります。あなたの脳には生まれてからの記録がいっぱい詰まっています。大切な記憶をたまに虫干しをするような感覚で脳活しませんか?

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