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NHK「みみより! くらし解説 認知症の予防を進めよう」見ましたか?

兆候(前ぶれ)を調べて早めの対策を

6月16日(金)午前10時45分~NHK総合チャンネルにて、認知症予防をテーマに日本認知症予防学会理事長の浦上克哉先生が登場されました。平日の昼前の時間なのでそんな番組があることすら知らなかった方も多いと思います。

前日の15日には国会で「認知症基本法」が成立しました、認知症の「2025年問題」に備えて関連施策がスピードアップすることを願っています。

10分という短い番組だったんですが、ポイントを抑えた内容で覚えやすい内容でした。私が所属する日本認知症予防学会(以下予防学会)の浦上理事長もコメントをだされていたので、番組のコメント順にご紹介します。( )内は私が補足してみました。

「認知症は誰もがなりうる病気」です

番組冒頭では、6月14日はアルツハイマー博士の誕生日で「認知症予防の日」になっていますと紹介。
(予防学会が申請して認定されました。最初の放送予定はこの日だったので紹介されました)

2025年には認知症の人が730万人に達します。高齢者人口のおよそ5人に1人がなる計算です。
(2020年は600万人と推定されていました。たった5年で100万人以上増加とはたいへんな数字です。当初の予測では600万人台後半でしたが新型コロナがあったので増加予測です)

認知症は誰もがなる可能性をもった病です。それだけに出来るだけ防ぐ・進行を遅らせることが重要です。
(残念ながら現在治療法はありません。なってしまうと進行するのみです。しかし予防を心がければなるのを遅らせる、早く発見出来れば進行を遅らせる、以上が可能だと言われています)

認知症か否か?重要なポイントを”兆候”(きざし、前ぶれ)で知りましょう。
(病気に関係なく加齢によっても脳機能は衰えます)

もの忘れ簡易スクリーニング検査(浦上先生監修)

認知症予防学会の浦上先生監修の簡易検査です。被験者と検査者の2人でおこないます。全4問。

①「桜」・「猫」・「電車」と3つの言葉を聞かされた後に同じことを言えるか
 即時再生の検査です。正解なら各1点、満点なら3点です

②きょうは何年何月何日?と質問します
 時間の見当識の検査です。正解なら1点

③見本を見ながら立方体を正しく描いてもらいます
 空間認知の検査です。すべての線を正しく描けたら2点、1本の線の不足なら1点。

④最初(①)の3つの単語を覚えていますか?
 遅延再生の検査です。各2点で満点は6点。ヒントで答えられたら1点にします。

合計12点~0点は認知症の疑いがあります。
(あくまで”疑い”なので専門の医師にまずは受診をしてください)
もの忘れ簡易スクリーニング検査はこちらから(外部リンク:日本認知症予防学会)

1人で調べるなら「とうきょう認知症ナビ」が手軽で便利

東京都保健福祉局の認知症Webサイトです。財布や鍵名地物を置いた場所がわからなくなることがある?10項目
のテストを受けて合計得点が20点以上であれば普段の生活に支障が出ている可能性があります。

「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」はこちらから(外部リンク:東京都)

さて、認知症はどう予防したらよいのでしょうか?

ここで浦上先生からのアドバイスです。ポイントは大きく3つ
①運 動
 準備運動、有酸素運動散歩足踏み、筋力運動(膝伸ばしなど)
(決してハードな運動をする必要はありません。血流の促進が目的です)

②知的活動
 一人なら、ゲームクロスワード(作業記憶)、パズル(判断力) 塗り絵(視空間認知) カレンダー作り(遂行力)
大勢なら、連想ゲーム(思考力)、音当てゲーム(注意力)、輪投げ(判断力)文字当てゲーム(視空間認知)
この他いろんなゲームを楽しむことが知的活動につながります。

③会 話 
 会話は脳の神経細胞を駆使します。できれば普段あまり話さない人、初めて会う人との会話がベスト。いつも話す人は話す内容が予測出来てしまい刺激になりにくいとのこと。
(ここ結構重要です。話しやすい親子も実はいつも話す人。とは言ってもそうそう初めての人と話す機会はありません。そこで、買い物や外食に出かけた際に、お店の人に品物やメニューについて話しかけるなどをしてみましょう)

この他にバランスのよい食事良い睡眠。根本的な治療はまだ難しいので、自分の状態を常にチェックして予防しましょう。
(認知症予防の食事で推奨されることが多いのは”地中海食”ですが、実は和食とよく似ています。違いはオリーブオイルと赤ワインがあるかないか。睡眠はアルツハイマー病の原因と言われるアミロイドベータたん白の排出と関係していることがわかっています。このアミロイドベータは認知症になる20年前から脳内に蓄積が始まるといわれています。)

いかがでしたか?以上が番組で紹介されていた内容です。番組はNHKプラス(要利用登録)でもご覧になれます。

番組内でも繰り返し言われた「誰でもなる可能性」「治療法はない」。だからこその予防と早期発見です。
活動的で会話も多い人が認知症に。。実は生活パターンや交流相手がある範囲に限定されていた中での活動だったかも知れません。

”脳への刺激”になるのは新しいものや人との出会い、或いは仕舞いこまれていた古い思い出との再会です。
トレホは思い出ノートやベスト10ノートをお勧めしています。新しい出会いは新たに一つずつ神経を使い始めますが、「思い出」は昔の記憶を思い出すことで、関連する記憶のネットワークが広範囲でつながる活性化が考えられます。それによって昔やろうとして封印していたことが思い出せたなら。。新しい挑戦をするならば是非をそれをしてみてください。

改めて申し上げます、誰でもなるかもしれないのに治療法がない認知症。でもリスクや予防法は少しずつ判明しています。
体は元気なのにこれまで積み重ねた記憶が失われていく。なんとも残酷な病です。長寿命化がすすむ現代、できるだけ長く健康でいるために、認知症予防に取組んでみませんか?


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